カテナリーによる錦帯橋の設計原理

カテナリー

■カテナリーによる錦帯橋の設計原理


■錦帯橋の主たるアーチ構造は桁という角材を鼻梁・後梁両懸垂線(カテナリー)に沿って図のように繰り返し、南京玉すだれ状に配置します。そのとき、重なった部分は削ってテーパとし、隙間は楔(くさび)として詰めて完成します。
■もちろんそれだけでは、バラバラになりますから、ダボでずれ止めをし、巻金と釘で縛りあげます。専門的には断面二次モーメントの増大化です。曲剛性の増大化と言ってもよいでしょう。
■このとき、左右から互いにはねだしてきたアーチの中央部は大棟木、子棟木と命名された部材が配置されています。
■石造アーチのキーストンに似てはいますが大棟木、子棟木は曲げ応力も負担しますから部材概念は違うものです。
■巻金で緊結された主たる構造アーチ上端の段差の大きいところに、まず後詰を置き、それらの上に平均木を敷板、段板懸垂線に沿って加工し配置します。
■このカテナリーに沿って均しながら平均木を配置するという考え方があの美しい錦帯橋を創っているといっても過言ではありません。
■なお、高欄の上端は高欄懸垂線に沿っていることは言うまでもありません。
■一番下側に尖がって見える鞍木もそれらの先端を結ぶ鞍木懸垂線に沿って配置されます。
■これらを全て理解して初めて、真の錦帯橋は作れるのです。
■実は現在、錦帯橋は一部の学者には理解不可能な設計原理を持っています。これを発明した児玉九郎右衛門はダビンチにも匹敵する科学者であり、錦帯橋は世界の宝物です。
■このような人材を輩出された吉川家の築かれた岩国藩の偉大さを感じます。
■どうか皆さん、カテナリーによる錦帯橋の設計原理こそ世界文化遺産的価値だとご理解していただき、これを多くの人々に教えてあげてください。